確定拠出年金は、社員が自己責任、自分で運用先をスィッチング・配分変更する仕組みゆえ投資や相場の知識が必須となりますので、加入者への投資教育は極めて大切です。

しかし、投資知識のレベルは次の5段階に分れ第5レベルにならないと、本来の適切なスィッチングができないが現実ですが現在の確定拠出年金加入者向けの投資教育は、第1レベルと思います。

①教科書的知識を持っているレベル
②後講釈の市場分析・解説ができるレベル
③的確な市場分析・解説ができるレベル
④相場の本質が分かるレベル
⑤相場の本質が分かり、相場全体を見ているレベル

それぞれ、みていきます。

■レベル1■教科書的知識を知っている

一般にFP(ファイナンシャルプランナー)や銀行・証券会社等の金融機関が投資教育といっているもので、教科書に書いてあるものを理解するという視点です。
株とは何か?
為替とは何か?
経済と株との関係
世界情勢と為替の関係
などを習得しますが、実際に投資で利益にできる方法を学ぶわけではありません。

教科書に書いてある内容を理解していますが、実際の投資には役立ちません。

現在は特に相場が教科書通り動くことは稀で教科書とは反対に動くことが多いからです。

その一つの理由が、投資の教科書は、昔の知識であり、今の相場に合ってないからです。

たとえば、分散投資(ポートフォリオ投資)が、昔は有効でしたが今、世界のほとんどの相場が連動する時代なので、ポ-トフォリオが役立たないことが多いです。

教科書では、株が下げると債券が上昇するなどと書いてありますが現在、株も債券も同時に下げることは当たり前のようにあります。

景気の良い時に株が上昇するのは常識ですが、景気の悪い時に株が上昇することも多いです。

景気が良いから株価が上がるのではなく景気を良くするために金融緩和して株価を上げるからです。

例えば、景気が良いという指標が出た場合、通常、株価は上昇しますが金融緩和の後退懸念があるため株価下落ということも多々あります。

同じ材料が出ても、全く反対に動くことになります。

投資では9割の人が損をすると言われていますが、その理由の1つは教科書的な知識だけであるからです。

教科書的知識だけなので投資で出てくる言葉を知っているレベルで、相場と反対に投資をするレベル

■レベル2■後講釈の市場分析・解説ができる

投資の教科書的なことが分かるだけではなく、また材料と相場の説明が後講釈としてできる知識レベルで、このレベルも相場の方向を間違えることが多いです。

テレビ等に出演する元プロディーラーという肩書きの人たちも含めてコメンテーター・アナリスト・エコノミスト・学者も、ほぼこのレベルです。

後講釈の説明はロジカルに見えますが、実際にそれが直接的な原因か疑わしいことが多く本人は方向性が分からない、もしくは、方向性が反対のことが多いです。

100年に一度と言われた2008年9月からの金融危機の時も、実際にはその前年2007年6月から、日本株は下落開始していましたが、その時もテレビのコメンテーターのほとんどは強き相場、方向性が反対でした。

このレベルの知識は、方向性を間違えるだけではなく、大衆心理になることが多く報道も、このレベルの人の意見が取り上げられています。

大衆心理になると人は相場の大底で売ったり、天井で買ったり確信を持って反対に取引することになります。

たとえば、相場では金融危機等で株価が急落している最後に、新聞に「株下落止まらず」と報道され、そこが大底になって相場は反転するという現象がおき多くの人が、大底で売ることになります。

また、各社好決算という発表があると、そこが株全体の天井になることも多く多くの人が天井で買うことになります。

投資では9割の人が損をすると言われていますが、その理由の2つ目は、方向性が分からず大衆心理になるからです。

方向性が分からないので本人は、相場を知っているつもりでも、確信を持って相場と反対に投資をするレベル

■レベル3■的確な市場分析・解説ができる

これはかなり優良な知識を身に付けた稀有な人で、投資・相場のコメンテーターの中にもほとんどいません。

この人の市場分析を聞いた人にとっても有益な情報です。

しかし、実際の例ですが、あるアナリストが抜群の市場分析ができ、方向性も正しいのでファンドマネジャーとして抜擢されました。

しかし、運用成績は、全く不振だったのです。

方向性が合っていただけでは運用者としては不適格です。

投資ではタイミングが一番大切なのですが、そのタイミングが分からないことが一番の原因です。

投資情報としても良いには良いのですが、運用やスィッチングのための情報・知識にはなりません。

投資では9割の人が損をすると言われていますが、その理由の3つ目は、タイミングが分からないからです。

タイミングが分からないので相場を知っているが、投資では利益にならないレベル

■レベル4■相場の本質が分かる

相場の本質が分かるのは、それなりの経験が必要ですが、このレベルは投資できちんと利益を出せる知識です。

その時々に、どの相場が良いかを判断することもできます。

教科書的な動きとは全く反対に動く時期も分かります。

タイミングが分かる人です。

しかし、このレベルでも、日本の場合は特に運用のプロも、株・債券・商品(金・銀・原油・穀物)・為替など専門が分かれているため「株は分かるが、為替や商品は分からない」という状態のため、投資先をスイッチングするのは苦手です。

全ての相場が分かるわけではないので投資で利益にすることができるが、各相場のスィッチングは苦手というレベル

■レベル5■相場の本質が分かり、相場全体を見ている

レベル4に加えて、全ての相場を見ることでこれからどの分野に投資をすれば良いかという視点で判断できるレベルです。

例えば、1990年以降20年間下落してきた日本株だけで利益を出そうとすると大変ですが米国株や、金(ゴールド)に、運用先を変えていれば簡単に大きな利益になったわけでこれができる人です。

全ての相場を見ていて、これから、どの相場が良いかを判断できるレベルの人はかなり少ないの
ですが、このレベルが確定拠出のスィッチングに必要な知識です。

全ての相場が分かるので投資で利益にすることができるし、各相場のスィッチングができるレベル

■プロが利益を出せないため確定拠出年金に移行

そもそも、確定給付年金から確定拠出年金に移行したのは、運用のプロが利益を出せなかったからです。

確定給付年金では会社の負担リスクが高いので会社のリスクをゼロにして、運用の全リスクを社員のリスクに付け替え、突然、社員の自己責任の上で運用を強いられました。

つまり、プロが運用してうまくいかないものを投資をしたことがない人に運用を託したものが確定拠出年金です。

投資運用のプロが利益を出せないというのは金融機関内ではあたり前のことです。

金融機関内でプロディーラーとして配置された人の多くは利益を出せないで次々に辞めさせられていきます。

プロディーラーの中でも、一部の人だけが利益を出せるのです。

確定拠出年金のスイッチングをすることは何も知らない人たちが、突然レベル5の知識を要求されるのです。

例えていえば、自動車に普段乗ってない人が突然F1レースに参加させられたようなものです。

従ってほとんどの人は、一般に言う投資教育(レベル1)を受けたとしても確定拠出年金のスィッチングができずゼロ金利のまま預金しておくことになったり放置したままで運用しないリスクに置かれています。

■確定拠出年金のスィッチングに相応しい投資教育とは(実践教育)

確定拠出のスイッチング・配分変更のための投資教育はレベル5が求められますが実際に、すぐにレベル5にたどり着くのは難しいですしレベル5に、たどり着かない人の方が圧倒的に多いでしょう。

そこで、その時々の相場の中で、
どこにスイッチングしたら良いか、
そのスイッチングのタイミングを教えてもらいながら
つまり、投資助言を受けながら
なぜ、そうなのかを、実践を通して教えてもらうことが、
大切な知識であり情報だと判断しています。

自己責任は、適切な情報や適切な教育があることが基本です。

本来の投資教育は、知識に加えて適切な情報(助言)根底に無いと利益になる投資教育にならないのです。

確定拠出年金のスィッチング・配分変更に必要な教育として、「適切な投資教育」+「適切な情報(投資助言)」が求められているといえます。

新イーグルフライ http://www.eagle-fly.com/mm/は、レベル5を提供します。