価値観が変わるリスク
小さな地震では影響ありませんが、都市部の大規模な地震、たとえば阪神淡路大震災の発生と同時に東京のマンションは、約2割ほど値下がりしました。
これは、ビルなどが崩れた映像を見て、買い控えが起きたためです。
大地震の直接の被害はなくても、不動産価格は下落することを意味します。
東日本大震災の時、東京のマンションやビルで倒壊はしなかったものの、亀裂が入ったりして売却に支障が発生した建物や、液状化で生活ができなくなった家など、資産価値が急落したものがあります。
1981年以降に新耐震設計基準で建てた建物は地震に強いので、ビルの賃借人は1981年以降に建てられた建物を選択することが多くなりました。
それゆえ、1981年以前のビルは入居者希望者が減り、ビルの価格も下落することになります。
また、以前は高層階ほど人気がありましたが、現在は2階とか3階のような低層階を希望する入居者が増えています。
一番安全と思われていた東京電力株が一瞬にして一番危険な株になってしまうように、突然の価値観の変化は地震や災害によってもたらされることが多いものです。
一瞬にして価値観が変わるのが、激動の時代の特徴です。