地震や津波が資産(不動産・金融資産など)に与えるリスクについて連載したいと思います。

不動産のリスク

不動産は関係ないと思っている方もいらっしゃると思いますが、かなり大切なことなので、大事な知恵として頭の隅に置いておくと良いです。

(1)借地のリスク

地震や津波の際の資産防衛という視点で見た時、不動産の借地はかなり大事な注意点があります。

借地権が成立するためには建物を所有していることが必要です。

従って、地震や津波で建物が無くなってしまった場合、借地権が無くなる可能性があります。

たとえば、地震や津波で建物が無くなった土地を、地主が更地として第三者に売却し購入者が移転登記してしまうと、借地権は消滅してしまいます。

借地人がこれに対抗するためには、次のような措置をする必要があります。

・借地人が、その土地に看板を立てて、借地権が存在することを示す

・建物の滅失から2年間の間に建物を新たに建て、その建物の登記をする

これは反対の視点で見ると、底地権を持っている人は、建物が無くなった場合借地権が戻ってくることになるチャンスともいえます。

借地権は強い権利となっていますが、建物が無くなると急に弱くなります。