証券取引等監視委員会が株式会社ジェイ・エヌ・エスについて行政処分等の措置をするように金融庁へ勧告しました。(平成20年4月25日)
今回、ジェイ・エヌ・エスが行った違法行為を見ると結構酷い内容です。
勧告内容
個々の法令違反行為の詳細
登録時点から、自己資金比率などを粉飾しており、登録抹消の可能性もあると思います。
顧客が逃げることから存続ができなくなる可能性も少なくないでしょう。
証拠金については信託保全がされているように書いてありますが、今回の調査内容を見ると顧客の証拠金が分別すらされていなかったように見受けられるので、ここに口座も持っている人は、すぐに証拠金を引き出した方が良いと思います。
のんびりしていると、証拠金が戻らない可能性が多少なりともあるように感じます。
投資は危険を感じたらすぐ逃げることが基本です。
ジェイ・エヌ・エスはSAXO BANK(サクソ銀行)のシステムを使っており、このシステムは通貨ペア数も多く、それなりに人気があるシステムですが、このシステムを使っている会社は怪しげな会社も少なくないです。
SAXO BANK系で一番信頼が置ける会社はKAKAKU-FXさんでしょう。
KAKAKU-FX
親会社の株式会社カカクコムが東証一部に上場しているという点も安心材料の一つです。
また、今回、信託保全がされているということでジェイ・エヌ・エスさんで取引をされている方も多かったと思いますが、今回の事件をきっかけに、今後は信託保全の質が問われるようになるのでは
ないでしょうか?
信託保全されているから安全という「信託保全神話」はここから崩壊していくのではないかと思っています。
信託保全については、以前、新イーグルフライに書いた記事をここにアップします。
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2006年1月からの全てのFX会社に金融庁の登録が義務付けられ、確信犯の悪徳業者や信用度が悪い業者は淘汰され、その数は1/3、1/4になったと言われています。
しかし、これは日本のFX会社淘汰のゴールではなく、やっとスタートラインに立っただけと言ってよいでしょう。
金融庁も登録作業が集中したため、とりあえず登録を受けただけの会社もあることでしょう。
FXについては投資として見る人と投機として見る人と2種類のタイプに分かれますが、FX会社の多くは預け入れ金額総額が少ないために顧客が高レバレッジで短期売買を繰り替えす投機的な取引をしてくれないと存続できない会社が多く、FXが刹那的なものに見えてしまうことが多いです。
これは中長期的にじっくり資産を増やすスタンスの会社が極めて少ないからなのでしょう。
FXを投機として見ている人にとっては、証拠金が数十万円程度で高レバレッジの短期売買を繰り返すとなれば、証拠金の安全度や会社の信用度より、手数料の安さの方が重要になってきます。
しかし、FXを投資として見る人にとっては、証拠金の安全度が最重要課題です。
実際に2005年のレフコFXの破綻では、大きな損害を受けた個人投資家が多数います。
個人投資家だけではありません。
レフコFXはカウンターパーティといってFX会社のカバー先ともなっていたので、何十億円も損失を出した日本のFX会社もありました。
幸い、その時には日本のFX会社は身銭を切って乗り切ることができたので大事にはなりませんでしたが、万一それで連鎖倒産でもあれば、大変なことになります。
顧客からしてみれば、レフコFXに預けているわけではないのに、レフコFXの倒産によって自分の証拠金が返らなくなる可能性もあったということです。
これがカウンターパーティリスクです。
現在、FX会社間の競争が激化しているので、信用度が低い会社、差別化ができない会社は淘汰されていくことになるでしょう。
そこで、業界では、差別化のために分別管理は当然として信託保全を採用する会社が増えてきました。
完全な信託保全がされている場合は顧客が預けている証拠金は円・ドル・ユーロを問わず、含み益を含めて全額保全されています。
FX会社・信託銀行・カウンターパーティが破綻・倒産しても100%資産を守ることが可能です。
しかし、この信託保全という言葉が曲者です。
なぜならば、同じ信託保全という言葉を使いながら、業界内でその用語統一されていないために同じ信託保全にも雲泥の差があるからです。
信託保全の内容には、大きく分けると次の4つに分かれます。
●信託保全の内容の違い
(1)分別管理しかしていないが信託保全という表現をしている
(2)一部だけ信託保全をしている
 残りは自社やカウンターパーティー
(3)全額信託保全はしているが、受け取りは社内
(4)完全な信託保全
ここで、FX会社の倒産・信託銀行の倒産・カウンターパーティの倒産全てにおいて倒産隔離されているのは(4)の完全な信託だけです。
詳細を見ていきましょう。
(1)分別管理しかしていないが信託保全という表現をしている
分別しているだけで、その分別先が信託銀行であるだけのケースがあります。
信託銀行に分別保管によって保全していますという意味で信託保全と言っているのでしょう。
分別信託という表現を使っているケースもあります。
実際には信託保全は全くされていません。
(2)一部だけ信託をしている
一部だけの信託保全ですので、全額が守られているわけではありません。
一部はカウンターパーティに預けられているケースがありますが、カウンターパーティの倒産についての保全はされていません。
全額信託保全と書いてあっても、実際には円だけで、他の通貨は保全されてなかったり、含み益は対象外のケースがありますので、全額という言葉もあてにはなりません。
(3)全額信託保全はされているが、受取人は社内全額信託保全されていたとしても、完全には安心できません。
万一、FX会社が破綻して、信託保全されていた証拠金を戻すときには信託管理人が全額を一旦受け取って各顧客に返金することになりますが、この信託管理人がFX会社の人であった場合には、最後の最後に持ち逃げという可能性は否定できません。
一番お金に困っているところを経由するからです。
(4)完全な信託保全
全ての通貨・FX会社の倒産・信託銀行の倒産・カウンターパーティの倒産など全て含み益まで含めて、信託法によって守られ、倒産隔離されていること、また受取人もFX会社外の第三者(通常は弁護士)が受け取ることになっているので、ここまできて、完全な信託保全と言えるでしょう。
銀行は「日本円では1000万円以上、外貨については全額」がペイオフでは保全されないのですが、信託保全は信託法により全額が保全されることから銀行より安全な仕組みであると言えます。
このように同じように見える信託保全ですが、言葉に惑わされないで内容を良く確認する必要があります。
ちなみに、信託保全について一番優れている会社はマネースクウエアジャパンさんです。
マネースクウエア・ジャパン
現在、50万円から口座開設できます。
いずれにしても、これから更なる淘汰の時期ですから、危なげな会社とは付き合わないようにしてください。
具体名はここには書きませんが、登録している会社の中に顧客の証拠金を流用している会社があると聞いています。
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もうすぐゴールデンウイークですね。
ゴールデンウイークは狙われることがあるので、ストップロス等をきちんと入れて急落にも対処できるようにしておいてください。